カメラを使っていて、「なんか実物と違って見えるな…」と感じたことはありませんか?
それ、もしかしたらレンズの「歪み」が原因かもしれません。
レンズの歪みとは、撮影した写真が実際の風景や被写体と比べて形が変わって見える現象のこと。
特に広角レンズで撮った写真に多いんですが、これはレンズの設計上どうしても避けられないものなんです。
この記事では、レンズの歪みの種類や原因、対策について詳しく解説していきます。
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1. レンズの歪みの種類と特徴
レンズの歪みにはいくつか種類があります。
代表的なものは「樽型歪み」「糸巻き型歪み」「複雑歪み」の3つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1. 樽型歪み(バレルディストーション)
まずは、「樽型歪み」です。
広角レンズを使ったときに特に目立ちやすいこの歪みは、写真の中心がへこみ、外側が膨らんで見えるのが特徴。
たとえば、建築写真でビルや柱を撮ったときに、垂直なはずの線が外側に向かって曲がって見えることがあります。
これは、風船を膨らませたときのように、真ん中は比較的平らだけど周りが膨らむイメージに近いですね。
具体例は下記の通り。
旅行先で広角レンズを使って歴史的な建物を撮ったとします。
あとで写真を見返すと、柱や壁が外に向かって広がって見える…。
これがまさに樽型歪みです。
実際、私も広角レンズで撮影することが多いんですが、撮影後は必ずAdobe Lightroomなどで歪み補正をしています。
特に建築写真は精密さが求められるので、この補正作業は欠かせません。
1-2. 糸巻き型歪み(ピンカッションディストーション)
次に、「糸巻き型歪み」です。
まるで糸巻きのように、四隅が内側に引き込まれる感じですね。
具体例は下記。
スポーツ観戦で遠くの選手を望遠レンズで撮影したとしましょう。
あとで見返すと、フィールドのラインや背景の建物が内側に向かって湾曲している…。
これが糸巻き型歪みです。
ポートレート撮影でも起こりやすく、人物の顔や体の輪郭がわずかに内側に引き締まって見えることがあります。
1-3. 複雑歪み(マスタードディストーション)
そして最後が「複雑歪み」。
これは広角ズームレンズでよく見られる歪みで、樽型と糸巻き型が混ざったような形です。
広角端では樽型、望遠端では糸巻き型が現れるため、撮影の際に注意が必要です。
具体例は下記。
結婚式でズームレンズを使って広角と望遠を切り替えながら撮影しているとき、写真ごとに微妙に建物や人物の形が変わって見えることがあります。
これが複雑歪みです。
ズームレンズを使うときは、焦点距離ごとに異なる歪みを意識して撮影するのがポイントです。


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2. レンズの歪みの原因とは?
では、なぜレンズの歪みが起きるのでしょうか?
これはレンズの設計や光の屈折の仕方が影響しています。
2-1. 焦点距離とレンズの構造
広角レンズは焦点距離が短く、より広い範囲を写せるのが特徴です。
そのため、レンズに入ってくる光の角度が急になり、周辺部分の引き伸ばしが発生します。
逆に望遠レンズは焦点距離が長く、光がレンズに直線的に入るため、糸巻き型の歪みが発生しやすいのです。
2-2. レンズ枚数とコーティング
また、レンズに使われているガラスの枚数やコーティングも関係しています。
高級なレンズほど、複数のレンズ群で光の屈折を補正しているため、歪みが少なくなります。
一方、エントリーモデルやスマホのカメラはレンズ枚数が少ないため、歪みが目立ちやすい傾向があります。


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3. レンズの歪みを補正する方法
歪みを補正する方法はいくつかあります。撮影時と編集時に分けて見ていきましょう。
3-1. 撮影時の工夫
- 焦点距離の調整: 広角レンズを使うときは、なるべく中央に被写体を配置し、周囲の歪みを最小限に抑える。
- 撮影距離の工夫: 人物を撮るときは、少し離れてズームして撮影すると自然に見える。
- 水平垂直を意識: 建築写真では、カメラの水平垂直を意識するだけで歪みが軽減されます。
3-2. 編集ソフトでの補正
- Adobe LightroomやPhotoshop: プロファイル補正機能を使うと、レンズごとの歪みを自動で補正できます。
- DxO PhotoLab: 専用の補正アルゴリズムがあり、細かい歪みまでしっかり修正してくれます。
- スマホアプリ: 最近ではSnapseedなどの無料アプリでも簡単に歪み補正が可能です。
4. 歪みのある写真をあえて使うシーンも?
実は、レンズの歪みは必ずしも悪いものではありません。
たとえば、魚眼レンズであえて誇張されたパースペクティブを楽しんだり、広角レンズでダイナミックな風景を撮ったりするのもテクニックの一つです。
歪みを活かすか補正するかは、写真の意図次第。
建築や風景は正確さが大事ですが、ストリートスナップやスポーツ写真なら歪みがあったほうが迫力が増すこともあります。


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まとめ
レンズの歪みは避けられないけれど、工夫次第で味方にも敵にもなります。
歪みの種類や特性を理解して、うまく付き合っていけば、もっと魅力的な写真が撮れるはずです。
撮影の前に少しだけレンズの特性を意識してみてください。
きっと、写真の仕上がりがワンランクアップしますよ!
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